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財務諸表のための時価評価

減損会計、資産除去債務、販売用不動産の低価法、賃貸等不動産、企業組織再編(合併、買収、現物出資)等で時価評価が求められる局面があります。

販売用不動産、賃貸等不動産の時価評価を特筆すれば、次のとおりです。

・販売用不動産(棚卸資産)の時価評価

 企業が保有する不動産には、企業が自ら使用する固定資産としての不動産の他に、販売用として保有する「販売用不動産」があります。従来「販売用不動産」(棚卸資産)は原価法と低価法の選択適用が認められていました。ただし、原価法を適用している場合であっても、時価の下落が著しい(50%以上の下落)場合には、回復する見込みがある場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない(強制評価減)とされてきたところです。しかし、平成18年7月に企業会計基準委員会から示された「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)により、国際会計基準と同様に低価法への適用一本化が図られました。同基準では平成20年4月から開始する事業年度より適用開始されています。「販売用不動産」には、企業のノウハウと資金が投入されていますが、いまだ完成に至っていないものも多く、評価が困難なものが少なくありません。販売見込額の基礎となる土地の時価としては、不動産鑑定士による鑑定評価額が適切と考えられます。 弊社不動産鑑定士による、長年の経験をもとにした、迅速かつ適切な、「販売用不動産の時価評価」をご活用ください。

・賃貸等不動産の時価評価

平成20年11月28日、企業会計基準委員会より『賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準』が公表されました。対象となるのは、企業が保有する「賃貸等不動産」で、賃貸「等」とされていることからもわかるように賃貸借に供されていない不動産も本会計基準の対象とされるものがあります。「賃貸等不動産」には「投資不動産」、「将来の利用が見込めない遊休不動産」、「賃貸に供されている不動産」が挙げられています。棚卸資産、自社使用のビルや工場は含まれません。なお、賃貸している不動産であっても、連結会社間で賃貸されている不動産は対象外です。「賃貸等不動産」の総額に重要性が認められた場合で、個々の賃貸等不動産についても重要性が認められた場合、原則的時価算定により求められた時価を、財務諸表には、「注記」という形で開示することになります。 したがって、損益計算書や賃借対照表の本体への影響はなく、当期の損益に関わるものではありませんが、「時価」を開示するので、「含み益」の場合も「含み損」の場合も開示することになります。また、総額の重要性を判断する基となる時価を算定する際と、開示の必要があっても個々の賃貸等不動産に重要性が乏しい場合には【原則的時価算定】または【みなし時価算定】を適用することができます。

【原則的時価算定】 原則として不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価を行う。 例外として、不動産鑑定評価基準に則ることが出来ない場合や、不動産鑑定評価基準に則らないことに合理的な理由がある場合があげられる。(造成工事又は建築公示完了後の状態を前提として行う価格調査を行う場合など詳しくはお尋ねください。) また、直近の原則的な時価算定を行ったときから一定の評価額や適正に市場価格を反映していると考えられる指標に重要な変動が生じていない場合には、当該評価額、指標(収益還元法適用等)を用いて調整した金額をもって時価とみなすことができる。 

【みなし時価算定】 原則的時価算定以外の簡便な方法で鑑定評価手法を選択的に適用し、又は一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標等に基づき、企業会計基準等において求めることとされている不動産の価格を求める価格調査。 弊社では、「賃貸等不動産の時価」を「原則的時価算定」はもちろんのこと、「みなし時価算定」についても対応いたしますし、適切な不動産戦略についてのアドバイザー・カウンセラー業務も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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